だが、それらの情報は、やはりリアルタイムで本部に伝わっていなければまずい。
次の一歩を決める重要な情報だからだ。 まず、組織を運営するための情報を、SEはどう位置づけ、どう取り扱っているかを見てみよう。
組織を運営するための情報は、会議で伝え、ディスカッションを通して情報の共有を図る。 これがSEのやり方だ。
情報は末端に伝わっていくにしたがってだんだんあやふやになり、正確さを欠いてくる。 まして、紙切れ1枚や、一方的なテレビ訓話などでは情報の本当の重要さは伝わらない。

SEはまず、毎週月曜日にディストリクト・マネジャー(DM)を東京・芝の本社に集め、DM会議を行なっている。 DMというのは全国の地区の統括責任者のことで、北海道から九州まで約帥人が毎週、会議のために東京にやってくる。
一見するとこれは何というムダか、という話になりかねない。 世の中はマルチメディア時代であり、経費削減が企業の美徳である。
交通費をかけ、時間をかけて会議を開くくらいなら、テレビ会議システムと企業内コンピューター・ネットワークシステムで情報を流せばよいと考えるのが趨勢である。 だが、SEは「重要な情報にはコストを惜しまない」ことを標傍している。
それは、企業内LANの完備などというハードの面だけではない。 情報共有化に当たって、フェイス・トウ・フェイスの会議が最も有効だ、と思えば、北海道から毎週DMを呼んで会議を開くことを惜しいと思うな、ということなのだ。
DM会議では、午前中が全体会議で、それぞれのDMが居並ぶSEの経営陣、本部幹部社員に対してその前週に自分達の地域で実際に起こったできごとを報告し、店舗経営に関わるあらゆる問題点が洗い出される。 DMは現場に近く、本部からは見えないさまざまな問題点にいち早く気づくことができる。
たとえば、配送の遅れや本部推奨商品がその地区だけ売れなかった、などのキメ細かい情報はDMがすべて握っている。 こうした情報をすべて本部が吸い上げ、改善のためのヒントにする。
この会議はそういう性格の会議なのである。 もちろん、全体会議では本部の方針もDMに伝えられる。

だが、月曜日の午前中のこの会議は、主に現場からの情報が豊富に出る場と考えてよいようだ。 月曜日の午後は、DMは商品開発を担当するスタッフを交えたゾーン別会議に入る。
一方、経営陣は役員会を開き、午前中の会議で出されたさまざまな問題点の改善策が具体的に検討される。

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